
期間が掛かると思われ、LAASの実現に一つの障害になる(但し米国がVHF帯からC帯へ変更した場合、この障害は無くなる)。
以上の内容を踏まえて考えれば、現在米国が計画している従来システムの廃止予定期日以降が従来システムとGPSシステムの併用開始時期と推定しても良いのではないか(即ち2010年以降?)と考えられる。なおLAASデータリンク周波数の問題は、現状としてVHF又は(及び)Cバンドが有力であるが、電波伝搬特性から考えればCバンドが優れており、又VOR/ILSが現在使用中のため移行上も有利であることは言うまでもない。このため、LAASのデータリンクとしてシステムの冗長性向上の上からもCバンドも選択される可能性が高いと思われる。
3.3.6.7 試案
前述の内容を踏まえ、エンドユーザーである航空会社が、精密進入・着陸システムとして、GPS補強システムがコスト的にも満足と判断し、その完成迄ILS使用で問題が無いとの事で有れば、GPS補強システムの開発促進だけで良いと考える。但し日本へ乗り入れの航空会社が、高カテゴリー運用を求めてきた場合で、ILSでは実現困難な場合は、現時点で実現できるシステムはMLSしかないので、この点は確認が必要である。
又現在我が国に於ける離島等でILS設置を希望しても出来ない場合は、民生の安定等の観点からも住民の為に利便性が高い航空機用に早期実現手段としてのMLS設置を積極的に働きかけるべきと考える。
特に離島が多い沖縄地方は検討に値すると思われ、運航実用化評価を、これら環境が異なる数空港で開始すべきと考える。航空会社としても運航率向上のメリットもあり、投資の見返りは期待できると思われる。
なおGPS補強システムの開発に於ける一種の保険として、MLS技術の温存の意味でも有意義と考えられる(1994年10月の第15会AWOPでのALCATELのJurgen Seybold氏のステートメントは、5年度の再立ち上げの場合の警鐘であり、10年以上の場合は壊滅的と思われる)。
なお、CバンドMLSへの投資はLAASデータリンクの実現に活かされる可能性が高いと考えられる。
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